PTFE(テフロン)HEPA・ULPAフィルター(ボロンフリー・低圧力損失) - HEPA / ULPAフィルター | 佰聖科技(バイシェンテック)
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HEPA / ULPAフィルター

PTFE(テフロン)HEPA・ULPAフィルター(ボロンフリー・低圧力損失)

製品概要

PTFE HEPA・ULPA フィルターは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE、通称テフロン)の微多孔膜をろ材とし、表面ろ過で微粒子を捕集するため、同等級の初期圧力損失はガラス繊維フィルターの約 1/2~2/3 にとどまります。ホウ素やリンを含まず、プロセスにドーパントや有機物を放出せず、酸・アルカリや湿気にも強いのが特長です。EN 1822 の H13~U17 の五等級と、570×1170、610×610、1170×1170 など FFU やクリーンルームで一般的な寸法をそろえ、ミニプリーツ・アルミ枠で、ガスケットまたはナイフエッジのゲルシールで密封します。全数を出荷前にスキャン法でリーク検査して試験成績書を添付し、UL 900 はオプションで選択できます。半導体、ディスプレイ、製薬、病院のクリーンルームに適しています。

主要仕様

効率等級
H13 / H14 / U15 / U16 / U17
ろ過効率
H13 ≥ 99.95%~U17 ≥ 99.999995%(MPPS)
初期圧力損失
44–102 Pa @0.45 m/s
厚さ
50 / 52 / 69 / 70 / 86 / 88 / 90 mm
見積もり依頼

Email:sales@baisheng-tech.com

電話:+886-2-25981958

ろ材
ePTFE 微多孔膜+不織布支持層の複合ろ材(ボロンフリー、バインダー不使用)
外枠
アルマイト処理アルミ枠
構造形式
ミニプリーツ(mini-pleat)
セパレータ
ホットメルトセパレータ
ガスケット
両面ガスケット(ガスケット枠);ナイフエッジ枠はゲルシール溝と組み合わせ
試験規格
EN 1822 / ISO 29463
効率等級
H13 / H14 / U15 / U16 / U17
ろ過効率
H13 ≥ 99.95%~U17 ≥ 99.999995%(MPPS)
定格風量
526–2,218 m³/h @0.45 m/s
面風速
0.45 m/s
初期圧力損失
44–102 Pa @0.45 m/s
最終圧力損失
初期圧力損失の 2 倍で交換を推奨
標準寸法
570×570, 610×610, 570×1170, 610×760, 610×1220, 1170×1170 mm
厚さ
50 / 52 / 69 / 70 / 86 / 88 / 90 mm
特注寸法
寸法、奥行、枠の型式は図面に合わせて製作可能
最高使用温度
≤ 70°C
最高相対湿度
100% RH(結露なきこと)
適用用途
半導体・ディスプレイのクリーンルーム FFU、製薬無菌エリア、病院手術室、装置内ミニエンバイロメント、酸・アルカリ性ガスを含む排気
リークテスト
全数を出荷前にスキャン検査し成績書を添付;現場では低濃度 PAO または PSL を推奨
認証
UL 900(オプション)

一部の数値は同種製品の一般的な範囲です。実際の仕様は出荷仕様書によります。

型番等級効率 (MPPS)寸法 W×H×D (mm)定格風量 (m³/h)面風速 (m/s)初期圧力損失 (Pa)枠
PTFE-MH95-610-610-69 *H13≥ 99.95%610 × 610 × 696030.4544ガスケット枠
PTFE-MH95-570-1170-69 *H13≥ 99.95%570 × 1170 × 691,0800.4544ガスケット枠
PTFE-MH995-610-610-69 *H14≥ 99.995%610 × 610 × 696030.4558ガスケット枠
PTFE-MH995-570-1170-69 *H14≥ 99.995%570 × 1170 × 691,0800.4558ガスケット枠
PTFE-MH995-610-1220-69 *H14≥ 99.995%610 × 1220 × 691,2060.4558ガスケット枠
PTFE-MH995-1170-1170-69 *H14≥ 99.995%1170 × 1170 × 692,2180.4558ガスケット枠
PTFE-MU9995-570-570-50U15≥ 99.9995%570 × 570 × 505260.45< 73ガスケット枠
PTFE-MU9995-570-1170-50U15≥ 99.9995%570 × 1170 × 501,0800.45< 73ガスケット枠
PTFE-MU9995-570-1170-70U15≥ 99.9995%570 × 1170 × 701,0800.45< 73ナイフエッジ枠(ゲルシール)
PTFE-MU9995-570-1170-88U15≥ 99.9995%570 × 1170 × 881,0800.45< 73ナイフエッジ枠(ゲルシール)
MU9999-610-760-86U15≥ 99.9999%610 × 760 × 861,1400.68142ガスケット枠
MU99995-570-1170-52-PTFEU16≥ 99.99995%570 × 1170 × 521,1100.46102ガスケット枠
PTFE-MU99995-1170-1170-90 *U16≥ 99.99995%1170 × 1170 × 902,2180.4583ナイフエッジ枠(ゲルシール)
PTFE-MU999995-570-1170-90 *U17≥ 99.999995%570 × 1170 × 901,0800.4597ナイフエッジ枠(ゲルシール)
PTFE-MU999995-1170-1170-90 *U17≥ 99.999995%1170 × 1170 × 902,2180.4597ナイフエッジ枠(ゲルシール)

型番は当社 ERP の品番です。風量は公称寸法から算出し、圧力損失は新品時の初期値です。* の型番は同じ規則で採番した標準仕様で、圧力損失は代表値です。出荷品は注文仕様書に従います。

詳細説明

PTFE HEPA・ULPA フィルターとは

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、通称テフロン)HEPA・ULPA フィルターは、PTFE を延伸して微細孔が無数に開いた薄膜(ePTFE)にし、不織布の支持層と複合してろ材とし、ミニプリーツに折ってアルミ枠に収めたフィルターです。一般的なガラス繊維フィルターと比べると、三つの重要な違いがあります。同等級で圧力損失が約三分の一から半分低いこと、ホウ素とリンを含まず、プロセスにドーパントを放出しないこと、酸・アルカリと湿気に強いことです。この三点はまさに半導体、ディスプレイ、製薬のクリーンルームが最も重視する点であり、そのため先端プロセスの FFU や天井の ULPA では PTFE ろ材を指定するケースが増えています。 本ページでは EN 1822 の H13 から U17 までの五等級を、570×1170、610×610、1170×1170 などクリーンルームで一般的な寸法でご用意しています。全数を出荷前にスキャン法でリーク検査し、試験成績書を添付します。UL 900 の防火等級もオプションで選択できます。

表面ろ過と深層ろ過

表面ろ過 vs 深層ろ過

ろ材断面の模式図:左はガラス繊維ろ紙、右は PTFE 膜複合ろ材

入口ePTFE 微多孔膜不織布支持層ガラス繊維ろ紙粒子が厚さ全体に分布PTFE 膜複合ろ材粒子は膜表面で停止

模式図であり、厚さと粒子径は誇張しています。

ガラス繊維ろ紙は厚さ約 0.4–0.6 mm の繊維ウェブで、粒子は内部に入り込み、厚さ全体で繊維に何層にもわたって捕集されます。これを深層ろ過といいます。一方、PTFE 膜は厚さが数マイクロメートルから数十マイクロメートルしかない微多孔膜で、膜を構成するフィブリルはナノメートル級の細さです。粒子の大部分は膜の表面で止まり、これを表面ろ過といいます。膜が薄くフィブリルが細いため、気流が通過するときの抵抗が小さく、これが PTFE の圧力損失が低い根本的な理由です。反面、粉塵は表面にしか堆積できないため、粉塵保持容量はガラス繊維より少なく、プレフィルターによる保護が欠かせません。

同等級で圧力損失が約三分の一から半分低い

同等級の初期圧力損失:PTFE vs ガラス繊維

丸印は本ページの型番(0.45 m/s)、灰色の帯は同等級ガラス繊維の推定範囲

050100150200H13奥行 69 mm66–8844H14奥行 69 mm87–11658U15奥行 50 mm110–146≤ 73U16奥行 90 mm125–16683U17奥行 90 mm146–19497初期圧力損失 (Pa)
PTFE(本ページの型番)ガラス繊維(推定範囲)

PTFE の値は型番表から引用し、U15 は上限値です。ガラス繊維の範囲は特許と学術研究の圧力損失比(PTFE はガラス繊維の約 1/2~2/3)から推定したもので、比較用の参考値です。

特許文献と近年の学術研究は同じ傾向を示しています。同じ効率では、PTFE ろ材の圧力損失はガラス繊維ろ材の約 1/2~2/3 です。本ページの型番でいえば、H14・奥行 69 mm の PTFE-MH995-570-1170-69 は 0.45 m/s で約 58 Pa、U15・50 mm の PTFE-MU9995-570-1170-50 は 73 Pa 未満、U17・90 mm の PTFE-MU999995-570-1170-90 は約 97 Pa です。 FFU にとって、フィルターの圧力損失が 30–50 Pa 下がればファンの回転数を下げられます。FFU が千台を超えるクリーンルームでは、年間の電気代の差はかなりの額になります。逆の使い方もできます。同じファンのまま PTFE に替えて一等級上げる、たとえば U15 から U16 に上げても、全体の圧力損失は元のガラス繊維とほぼ同じに保てます。

半導体・ディスプレイ工場がボロンフリーの PTFE を指定する理由

一般的な HEPA・ULPA のガラス繊維はホウケイ酸ガラスです。エッチングやウェット洗浄エリアから漂うフッ化水素酸(HF)の蒸気はガラス繊維を侵食し、三フッ化ホウ素(BF₃)などのホウ素含有ガスを生成して、気流とともにクリーンルームへ運び込みます。ホウ素はシリコンの p 型ドーパントで、ウェーハ表面に付着するとデバイスの電気特性がずれてしまいます。ガラス繊維ろ紙のバインダーも有機物を放出し、AMC(分子状汚染物質)の発生源の一つになります。PTFE 膜はホウ素、リン、金属を含まず、バインダーも不要で、しかもフッ化水素酸に耐えるため、この二つの汚染を発生源から排除できます。 プロセスが先端になるほど AMC に敏感になります。EUV リソグラフィ、ゲート酸化、薄膜成膜などのエリアでは、通常 U16–U17 の効率とボロンフリーのろ材を同時に求め、上流にはケミカルフィルターを組み合わせて酸性・アルカリ性・有機ガスを処理します。

PTFE とガラス繊維フィルターの比較

項目PTFE 膜ろ材ガラス繊維ろ材
ろ過方式表面ろ過:微多孔膜が表面で粒子を捕捉深層ろ過:粒子が繊維ウェブ内で何層にもわたって捕集される
同等級の初期圧力損失ガラス繊維の約 1/2~2/3基準
ホウ素・リン・金属含まず、放出なしホウケイ酸ガラス繊維とバインダーから放出のおそれ
有機物のアウトガス極めて少ない(バインダー不使用)バインダーから有機物放出のおそれ
耐酸・耐アルカリ・耐フッ化水素酸優れる、PTFE は化学的に不活性フッ化水素酸がガラス繊維を侵食し BF₃ を生成
耐湿性疎水性で、湿気が効率に影響しない吸湿すると強度と効率が低下するおそれ
折り曲げ耐性と繊維の脱落膜の靭性が高く、割れず繊維も脱落しない繊維がもろく、プリーツ加工や運搬で破れやすい
粉塵保持容量少ない、プレフィルターによる保護が必要比較的多い
PAO オイルミストによるリーク試験高濃度では膜孔が目詰まりするため、低濃度または PSL が必要通常の PAO スキャンに耐える
単価高め低め
PTFE がすべての項目で勝るわけではありません。粉塵保持容量が少ない、高濃度のオイルミストに弱い、単価が高いという点は、選定時に必ず考慮すべきトレードオフです。

EN 1822 の等級の選び方

等級全体効率 (MPPS)局所効率 (MPPS)透過率代表的な用途
H13≥ 99.95%≥ 99.75%0.05%病院、バイオ研究室、装置排気
H14≥ 99.995%≥ 99.975%0.005%製薬無菌エリア、ISO 5 クリーンルーム
U15≥ 99.9995%≥ 99.9975%0.0005%半導体後工程、ディスプレイ工場の FFU
U16≥ 99.99995%≥ 99.99975%0.00005%半導体前工程の ISO 3–4 エリア
U17≥ 99.999995%≥ 99.9999%0.000005%先端プロセスの ISO 1–3、装置内ミニエンバイロメント
EN 1822 と ISO 29463 は MPPS(最大透過粒子径、一般に 0.1–0.25 µm)で効率を測定します。それより大きい粒子も小さい粒子も捕集されやすいため、最も捕集しにくい粒子径で測定することが最悪条件を表すからです。等級が一つ上がるごとに透過率は十分の一になり、圧力損失も上がるため、選定時にはファンの静圧もあわせて確認してください。

型式と選定のポイント

用途推奨等級推奨型式前段ろ過
半導体前工程:リソグラフィ、エッチング、薄膜U16–U17ナイフエッジ枠+ゲルシール溝(PTFE-MU999995 シリーズ)ケミカルフィルター+中性能 F9
半導体後工程、ディスプレイ、PCBU15FFU 用 570×1170(PTFE-MU9995 シリーズ)中性能 F8–F9
製薬無菌充填、アイソレーターH14ガスケット枠(PTFE-MH995 シリーズ)中性能 F9
病院手術室、バイオ研究室H13–H14ガスケット枠(PTFE-MH95/MH995 シリーズ)中性能 F7–F9
多湿または酸・アルカリ性ガスを含む排気H13–H14ガスケット枠粗じん用+中性能
ガスケット枠(50–69 mm)は FFU や一般的な天井グリッドに適し、両面のガスケットを圧縮して密封します。ナイフエッジ枠(70–90 mm)はゲルシール溝と組み合わせて使い、ナイフエッジをゲルに差し込んで密封します。グリッドの平坦度に対する許容が大きく、U16 以上、繰り返しの着脱が必要な場合、またはバイパスリークゼロが求められるエリアに適しています。寸法、奥行、枠の型式はいずれも図面に合わせて製作できます。

PTFE ろ材シート

ろ材型番効率 (0.3 µm)目付 (g/m²)厚さ (mm)圧力損失 @5.3 cm/sシート寸法
PTFE99-1.2-1.2≥ 99.99%90 (70–110)0.45 (0.25–0.65)145 Pa (130–160)1.2 × 1.2 m
PTFE999-1.2-1.2 *≥ 99.999%90 (70–110)0.45 (0.25–0.65)200 Pa (180–220)1.2 × 1.2 m
ろ材はシリカエアロゾルを用い、ろ材通過風速 5.3 cm/s で試験しています。シートのままの供給や寸法に合わせた裁断が可能で、自社にプリーツ加工設備をお持ちのお客様や、装置内の小型フィルター、通気フィルターを製作するお客様に適しています。当社でプリーツ加工・枠付けを行い、完成品として納めることもできます。* PTFE999-1.2-1.2 は受注生産品です。

出荷時のリーク検査と現場でのリーク試験

全数を出荷前にスキャン法でリーク検査し、試験成績書を添付します。UL 900 の防火等級はご要望に応じて選択できます。 現場での受入検査では PTFE の特性に注意が必要です。PAO などのオイルミスト粒子は膜表面に油膜を形成して微細孔をふさぎ、圧力損失を恒久的に上昇させます。光度計法で一般的な 10 µg/L 以上の上流濃度は、PTFE には重すぎます。パーティクルカウンターによるスキャン法に切り替えて上流の PAO 濃度を数 µg/L 以下に抑えるか、固体の PSL ラテックス粒子を試験エアロゾルとして使用し、スキャン時間もできるだけ短くすることをおすすめします。

プレフィルターと交換時期

PTFE 膜は表面でしか粉塵を捕集しません。研究では、PTFE 膜単体の粉塵保持容量は約 1 g/m²、メルトブローン不織布を一層複合しても約 6 g/m² にとどまり、ガラス繊維よりはるかに少ないことが測定されています。そのため上流には中性能 F8–F9 クラスのプレフィルターが必須で、外気空調機ではさらに粗じん用フィルターを一段追加します。 初期圧力損失の 2 倍に達した時点での交換をおすすめします。たとえば初期値が 73 Pa 未満の PTFE-MU9995-570-1170-50 であれば、140 Pa 前後で交換を計画します。スキャンでリークが見つかった場合や、下流の粒子数が上昇し続ける場合も交換が必要です。フィルターは水洗いできず、圧縮空気で吹くこともできません。膜面が一度破損すると修復はできません。

主な用途

半導体前工程(リソグラフィ、エッチング、薄膜、拡散)と後工程のクリーンルーム FFU。TFT-LCD、OLED ディスプレイ、PCB のクリーンルーム。製薬の無菌充填とアイソレーター。病院手術室とバイオ研究室。装置内部のミニエンバイロメント(EFEM、ストッカー)とクリーンベンチ。多湿または酸・アルカリ性ガスを含むプロセス排気。
PTFE フィルターとガラス繊維の HEPA・ULPA は何が違いますか?圧力損失は本当にそれほど低いのですか?

違いは捕集の仕方です。ガラス繊維ろ紙は厚さ約 0.4–0.6 mm の繊維ウェブで、粒子は厚さ全体で何層にもわたって捕集されます(深層ろ過)。PTFE はポリテトラフルオロエチレンを延伸して微細孔が無数に開いた薄膜にし、不織布の支持層に貼り合わせたもので、粒子の大部分は膜表面で止まります(表面ろ過)。膜が非常に薄くフィブリルも極めて細いため、同じ効率でも気流抵抗が小さく、特許と学術研究による圧力損失比はガラス繊維の約 1/2~2/3 です。本ページの型番でいえば、H14・奥行 69 mm の PTFE-MH995-570-1170-69 は 0.45 m/s で約 58 Pa、U15・50 mm の PTFE-MU9995-570-1170-50 は 73 Pa 未満です。同じ奥行のガラス繊維ミニプリーツは通常五割以上高くなります。圧力損失が低ければ、FFU のファン回転数を下げて省エネできるほか、同じファンで風量を増やすこともできます。

半導体工場はなぜボロンフリーの PTFE ULPA を指定するのですか?

一般的な HEPA・ULPA のガラス繊維はホウケイ酸ガラスで、エッチングや洗浄エリアから漂うフッ化水素酸の蒸気に侵食されると、三フッ化ホウ素(BF₃)などのホウ素含有ガスが生成され、気流とともにクリーンルームに入り込みます。ホウ素はシリコンウェーハの p 型ドーパントで、ウェーハ表面に付着するとデバイスの電気特性が変わってしまいます。ガラス繊維ろ紙のバインダーも有機物を放出し、AMC(分子状汚染物質)の一部になります。PTFE 膜自体はホウ素、リン、金属を含まず、バインダーも不要で、さらにフッ化水素酸に耐えるため、リソグラフィ、エッチング、薄膜などの敏感なエリアでは U15–U17 の PTFE ULPA が多く指定されています。なお、枠のシール材やガスケットからもアウトガスが出るため、ボロンフリーを指定する際はフィルター全体のアウトガス仕様もあわせて求めてください。

PTFE フィルターは PAO/DOP で現場リーク試験ができますか?

できますが、濃度を下げる必要があります。PTFE は表面ろ過のため、オイルミスト粒子が膜表面に油膜を形成して微細孔をふさぎ、圧力損失が恒久的に上昇します。光度計法で一般的な 10 µg/L 以上の上流濃度は、PTFE には重すぎます。パーティクルカウンターによるスキャン法に切り替えて上流の PAO 濃度を数 µg/L 以下に抑えるか、固体の PSL ラテックス粒子を試験エアロゾルとして使い、スキャン時間もできるだけ短くしてください。本ページのフィルターは全数を出荷前にスキャン検査し、成績書を添付しています。現場の受入検査でどうしても光度計法を使う場合は、受入検査の時点で圧力損失が上がってしまうのを避けるため、事前に濃度と時間を当社にご確認ください。

PTFE フィルターの寿命はガラス繊維より短いですか?プレフィルターは必ず必要ですか?

清浄なクリーンルームの循環空気中では、両者の寿命はほぼ同じで、PTFE のほうが長いこともあります。もろくなく繊維も脱落しないため、運搬や取り付け時の破れが少ないからです。本当の弱点は粉塵保持容量です。PTFE 膜は表面でしか粉塵を捕集せず、研究では PTFE 膜単体の粉塵保持容量は約 1 g/m²、メルトブローン不織布を一層複合しても約 6 g/m² にとどまり、ガラス繊維よりはるかに少ないことが測定されています。そのため上流には中性能 F8–F9 クラスのプレフィルターが必須で、外気空調機ではさらに粗じん用フィルターを一段追加します。初期圧力損失の 2 倍に達した時点での交換をおすすめします。たとえば PTFE-MU9995-570-1170-50 は初期値が 73 Pa 未満なので、140 Pa 前後で交換を計画します。

H13、H14、U15、U16、U17 はどう選べばよいですか?MPPS とは何ですか?

EN 1822 と ISO 29463 は MPPS(最大透過粒子径、一般に 0.1–0.25 µm)で効率を測定します。それより大きい粒子も小さい粒子も捕集されやすいため、最も捕集しにくい粒子径で測ることが最悪条件を表すからです。等級が一つ上がるごとに透過率は十分の一になります。許容透過率は H13 が 0.05%、H14 が 0.005%、U15 が 0.0005% で、U17 ではわずか 0.000005% です。実務では、製薬無菌エリアと ISO 5 クリーンルームには H14、半導体後工程とディスプレイ工場の FFU には主に U15、前工程のリソグラフィやエッチングなど ISO 3–4 のエリアには U16–U17 が使われます。等級が高いほど圧力損失も高くなり、本ページでは H14・69 mm が約 58 Pa、U17・90 mm の PTFE-MU999995-570-1170-90 が約 97 Pa です。選定時にはファンの静圧が足りるか確認してください。

型番はどう読みますか?* 印は何を意味しますか?

型番は当社 ERP の品番と同じです。PTFE-MU9995-570-1170-70 を例にとると、PTFE は PTFE 膜ろ材、M はミニプリーツ、U は ULPA(H なら HEPA)、9995 は効率 99.9995% の「99.」以降の桁で、最後は順に幅 570、高さ 1170、奥行 70 mm です。したがって MH95 は 99.95%(H13)、MH995 は 99.995%(H14)、MU999995 は 99.999995%(U17)です。* 印の型番は同じ規則で採番した標準仕様で、表中の圧力損失は代表値です。出荷品は注文仕様書に従います。寸法、奥行、枠の型式はいずれも図面に合わせて製作できます。

PTFE ろ材だけを購入して自社でフィルターを作れますか?

できます。PTFE ろ材はシートで供給しています。PTFE99-1.2-1.2 は 1.2 × 1.2 m の 99.99% クラスのシートで、目付は約 90 g/m²、厚さは約 0.45 mm、ろ材通過風速 5.3 cm/s での圧力損失は約 145 Pa です。より高い効率が必要な場合は 99.999% クラスの PTFE999-1.2-1.2(約 200 Pa、受注生産品)を選べます。自社にプリーツ加工設備をお持ちのお客様や、装置内の小型フィルター、通気フィルターを製作するお客様に適しています。寸法に合わせて裁断して出荷することも、当社でプリーツ加工・枠付けを行って完成品にすることもできます。

どのような場合はガラス繊維で十分で、PTFE は不要ですか?

環境に酸性ガスがなく、プロセスがホウ素や有機物のアウトガスに敏感でなく、ファンの静圧にも十分な余裕がある場合は、ガラス繊維の HEPA・ULPA のほうが単価が低く粉塵保持容量も大きいため、総保有コストは通常有利です。たとえば一般病棟、食品工場、電子機器の組立ラインなどです。PTFE に替える価値があるのは、半導体とディスプレイの前工程、フッ化水素酸や酸・アルカリ性ガスを含む循環・排気エリア、FFU の消費電力を抑えたい大面積の天井、そして高湿度環境です。まず最も敏感なエリアや最も電力を消費する FFU 群を PTFE に替え、実際の圧力損失と電気代のデータを見てから拡大するかどうかを判断する方法もあります。

選定リファレンス

ご発注の前に、効率グレード・ろ材特性・運転環境がご要件に合うかをご確認ください。